川崎市へ! ~京浜工業地帯~

ラミッツ
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平成百景に選ばれた日本最大の工業地帯

工業地帯は好きですか?

自分は絶景であれば、ジャンル問わずに良いと思ったものが好きです。自然のものや人工のもの、古いものや新しいものなど、それぞれの味と良さがあって、どれが一番好きかと問われると困ってしまいます。

最近は工場の景色にハマっている方が多く、夜のライトアップされた工業地帯の夜景が美しく、人気が上昇しています。
ただ工業地帯といっても、撮影目的だけで工業地帯内に入ると仕事の迷惑になることと、危険な箇所があるため、気安く入れる所ではありません。ましてや職場でもあるので、場所によって関係者以外立ち入り禁止のところもあります。
工場地帯を撮影するために、工業地帯に近くて迷惑にならない、ゆっくり撮影できる場所として、川崎市川崎区にある東扇島東公園へ行ってきました。今回は都合上、夜景を撮影していません。機会があったら再び行こうと思います。

東扇島東公園は京浜工業地帯の、東と横のちょうど中間にある川崎市川崎区の人口島である扇島の東端にあります。
工業地帯が海沿いにある理由は、港に近いことが挙げられます。工業は原材料が無いと製品が造れないため、資源がほとんど無い日本は原材料の輸入から始まります。工業が始まる明治時代の貿易は、ほとんどが船舶で行われているので、原材料の輸入、製品の輸出は港で行われてきました。
その港から近ければ近いほど輸送費が少なくなるため、港近辺に工場が集まっています。
空港や、道路網の発達により運送の手段が増えて、港周辺の沿岸部から内陸部へ工業地帯の範囲が拡大されました。東京都と神奈川県から、千葉県や埼玉県南部まで、南関東を京浜工業地帯となっています。
日本には三大工業地帯があり、京浜工業地帯と中京工業地帯、阪神工業地帯があります。また、北九州工業地帯を含めて四大工業地帯と呼ぶケースもありますが、近年では瀬戸内工業地域が4番目に上がってきています。
これらの工業地域で例を挙げると、

  • 京浜工業地帯
    • 東京港
    • 川崎港
    • 横浜港
  • 中京工業地帯
    • 名古屋港
    • 四日市港
    • 三河港
  • 阪神工業地帯
    • 大阪港
    • 堺泉北港
    • 神戸港
  • 北九州工業地帯&瀬戸内工業地域
    • 北九州港
    • 水島港(水島臨海工業地帯)
    • 広島港

これらの港から工業が発展していきました。京浜、中京、阪神、瀬戸内、北九州、全て太平洋にあり、総称して太平洋ベルトと呼ばれています。
1990年代半ばまでは、京浜工業地帯は3大工業地帯の中で、製造品出荷額が一位でしたが、1999年に中京工業地帯、2006年に阪神工業地帯に追い抜かれ、3位になりました。

南扇島南公園から見た京浜工業地帯の風景

1912年に川崎市内で日本鋼管株式会社(現在のJFEスチール)を設立し、市内の沿岸部に工場を建てました。現在まで鉄鋼業を、京浜工業地帯臨海部の代表的な産業として支えています。
大正時代から昭和初期にかけて、川崎から横浜市鶴見区と神奈川区の沿岸部に、浅野財閥の創始者の浅野総一郎が設立した鶴見埋立組合(のちの東亜建設工業、前回のレインボーブリッジを施工)が、埋め立てによる人口島を建設しました。
当時は第一次世界大戦で戦勝し景気が良かったが、後に関東大震災が発生し、東京にあった工場を京浜の人口島へ移設する動きが多くありました。
次第に工場が増え、ここから京浜工業地帯が形成されました。
1926年に工場地帯内を走る鶴見臨海鉄道(現在のJR鶴見線)が開通しました。その鉄道には浅野駅という駅があり、鶴見臨海鉄道の設立者であり、京浜工業地帯の親である浅野総一郎の名字から駅名になりました。
京浜工業地帯内での産業が増えていき、船や自動車が造られるようになります。中でも日本にとどまらず世界的なメーカーである日産自動車が、1933年に神奈川区で創立しました。
現在のみなとみらいには三菱重工業横浜造船所があり、現在でも一部の遺構が見ることができます。横浜の都心部まで京浜工業地帯が広がっていました。

第二次世界大戦では工業地帯が空襲の標的になり、壊滅的な被害を受けました。終戦後はアメリカ軍に接収されました。1950年代から工場を稼働し、さらに埋め立て地を造成していきました。
1960年代に入ると工業地帯による公害が発生し、臨海部から郊外へ工場の移設し、工業地帯が分散化されました。
空洞になった工場跡地は、ハイテク企業の工業団地や、お台場やみなとみらいなどの都市開発され、新たな産業として生まれ変わりました。

衰退という文字が頭を過ぎってしまいますが、先ほどの写真の通りJFEスチールをはじめ、数々の工場が稼働しています。
下段の写真は川崎沿岸部の横浜方面の景色で、東京電力川崎火力発電所や石油精製や化学工場が集まっています。
中段の写真は川崎沿岸部の東京方面の景色で、工場群の他に首都高速湾岸線や神奈川6号川崎線、アクアラインが交わる浮島JCTが見え、奥には東京国際空港(羽田)が見えます。
写真で見えている部分のほとんどが川崎港であり、浮島JCTや東京国際空港が近いことから、物流の拠点であり、輸出品や輸入品を扱う倉庫がたくさんあります。
撮影している場所の東扇島東公園も例外ではなく、元々は首都高速湾岸線の建設予定地、いすゞ自動車のモータープール(輸出車用待機所)でした。
それから広域防災拠点として2008年に東扇島東公園が開園しました。
非常時は緊急物資輸送拠点として機能し、ヘリポートがあります。広大な多目的広場があり、緊急避難場所になっています。
平常時は多目的広場、遊歩道、バーベキュー広場があります。一つ注目してほしいものが人工海浜です。

京浜工業地帯が誕生する前は、砂浜が存在していました。しかし、工業地帯の発展により川崎市から砂浜は消えました。
上の写真が、50年ぶりに川崎市に砂浜が現れました。人工海浜であるため禁止事項は沢山あるものの、眺めるだけで十分気持ちいい所でした。船や飛行機が近くを通る風景とこの砂浜は、川崎の東扇島東公園でしか見れない醍醐味です。
24時間出入り可能で、工場地帯の昼夜どちらも見ることができます。ただし、駐車場は有料です。
是非行ってみてください!

アクセス

首都高速湾岸線 東扇島で降りる。東京方面からの場合は戻る方向に目的地があるため、側道に出てすぐの信号を右折右折して、方向転換してください。横浜方面からの場合はそのままでOKです。

電車

上野東京ライン、京浜東北線のJR川崎駅東口から東扇島循環で「東扇島東公園前」で下車

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横浜市 周辺

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